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つぶやきミニレター


「つぶやきミニレター」は、愛好会の会員がペンネームで鑑賞報告や感じたことなどを自由に投稿するページです。

◆ 「ルチア」(新国立劇場・3月公演)を鑑賞して・・・


最近の新国立劇場の公演はかなり質の高いものが増えてきましたが、今回の「ルチア」はクリーン特に・ヒット!この公演を見た人は異口同音に褒め称えます。

その原動力は歌手陣が全て揃ったこと。「ルチア」は主役が良ければ全て良しという、「椿姫」にも勝る「主役ありき」だと思われがちですが、私はこのオペラはアンサンブルオペラを土台にした狂乱オペラという2重の性格を持つユニークな作品だと思っています。

幕あけの合唱とエンリーコのアリア、エドガルドとルチアの愛の2重唱、ヱンリーコとルチアの激しい2重唱、結婚式にエドガルドがなだれ込んでの6重唱、ルチアの結婚を祝う人々がやがてライモンドによって告げられる惨劇の様を歌う合唱、終幕のルチアが死んだことを知らせる鐘の音と合唱etc・・・。

ルチアの泉の場と狂乱の場でのアリアと終幕のエドガルドのアリアが強烈な印象を与えるため、その部分の良しあしだけで公演の全てを評価してしまいますが、上述の聞きどころがフンダンにある優れたオペラだと思います。

今回の公演が極めて優れていたのは、これらの全てを優れた歌手陣と合唱そしてオーケストラが一体となって演奏されたお蔭です。ルチア=オルガ・ぺレチャッコ・マリオッティ、エドガルド=イスマエル・ジョルディ、エンリーコ=アウトゥール・ルチンスキー、ライモンド=妻屋秀和、アウトゥーロ=小原啓楼、の5人の歌手が揃って極めて高い歌唱で歌いあげたこと、舞台もシンプルながら色彩・機能性を含めて見栄えのするもの、全てを統率する指揮者の力量も素晴らしかった!

出演者全員にブラヴォー!ブラヴァー!ブラヴィー!を連呼!! お蔭で声が涸れてしまいましたが・・・             (練馬区のM・S)

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前評判が高かったペレチャッコ。運よく2階正面の席が取れたので期待して鑑賞しました。ペレチャッコはもちろんのこと、どの歌手も素晴らしく、演劇としての完成度も高いと思いました。舞台装置もスコットランドの荒涼とした海岸地方をCGを使ってリアルに表現していました。

最後まで素晴らしい舞台でしたが、なぜかしら少々物足りない感じが。期待が大きすぎた?カーテンコールも拍手のみで、スタンディングオベーションにはなりませんでした。 (イェジババ)

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3月26日の公演に行きました。ルチア以外は歌手、合唱、オケそれに指揮者はなかなかの出来デスネ。特にオケの美しさは本当に芸術的。東京フィルからあれだけの響きを引き出す指揮者に脱帽。

ルチアはあの歌い方では私には押しが弱すぎてちっとも音楽が耳に入って来なかった。狂乱の場は眠かったです。ベルカントオペラは特にプリマドンナは歌手の自我をもっとギンギンに出して欲しいなぁ。それに狂乱の場のルチアの演出もあんまり趣味が良いとは思わないですな。 (半可通オトコ)

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おっと待った!舞台に生首を串に突き刺しての登場は如何なものでしょうか。いくら気が狂ってしまっていても、そこまではやらないのでは?

最近のオペラの舞台は女性の裸は当たり前。何しろ裸を売り物にしているグループまであるそうなんだから生首くらいは驚くに値しないですよ。という声がどこかで囁かれていましたが、オペラ劇場という神聖?な場で、鑑賞しているお客さんに不愉快な思いをさせてはいけないのです。えっ、裸、生首、大好きな鑑賞者は結構いるんだって。
失礼いたしました。 (マッタクン)

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指揮者・歌手・演出、いずれのレベルも高く大変満足度の高い公演でした。個人的にはエンリーコを演じたルチンスキーが良かったです。狂乱の場はもちろん本作の白眉ですが、第二幕の最後の「六重唱」はいつ聴いても、その美しさに陶然となります。

公演後には指揮者のジャンパオロ・ビサンティ氏と会食の機会を持つことが出来ました。イケメンでお洒落なミラネーゼです。買い物が大好きだそうで、身に着けている時計やネックレス、指輪、靴などをとっても気さくに見せてくれました。お腹が出ないように食事制限もしているそうですが、この日は解禁日なのでしょうか、出てきたビール(スーパードライ)を見て「OH!ASAHI~!」と美味しそうに飲んでいました。

11人兄弟の長男で、音楽一家。15才の時にスカラの天井桟敷でアバドのマーラー1番を聴いて「指揮者になる!」と決めたそうです!!5年先までスケジュールがいっぱいで、ミラノの自宅にはほとんど帰れないそうです。世界中を飛び回っていらっしゃるようですが、ぜひまた日本に来てもらいたいですね。 (マルゴー)

◆ 新国立の「オテロ」


あまり期待しないで行ってみたらとても良かったです。オテロ役のカルロ・ヴェントレは役柄にふさわしい風貌。声は外見より軽めの感じでしたが、声量があり、朗々と響き渡りました。パオロ・カリニャーニ指揮の音楽もぴったり決まっていたと思います。舞台はキプロスですが、べネチアの街並のよう。運河には実際に水を張ってありました。

キプロスにも運河が?と思いましたが、松明やら花火やら直火を多用していたので、防火用を兼ねていたのかも。最後、オテロはこの運河に倒れ、ずぶぬれで亡くなります。刺した傷から血が流れて水が真っ赤に染まる、と期待したのですが血は出ませんでした。残念。(4/19新国立劇場) (イェジババ)



◆魅力ある昭和音大の公開講座!


昭和音楽大学公開講座「ファビオ・ルイージ オペラアリア・マスタークラス」に出かけました。
あらかじめ選抜された生徒にルイージがレッスンをしていくのですが、ただ譜面通りに正しく綺麗に歌っているだけだったものが、僅かの指導で色彩や陰影がうまれ、役柄やストーリーが目に浮かび、命がふきこまれて、心を打つものに変化していきます。ビフォア、アフターが劇的に変化するのが素人目にも良くわかり魔法を見ているようでした。クールなイメージのマエストロですが、全身を激しく使い、熱血の指導でした。

 昭和音大はこのような公開講座をよくやっていて、舞台とは違った気づきがあり気にいっています。昨年12月は亡きアルベルト・ゼッダさんが同様のクラスを開講され、2時間の時間を大幅に延長して、愛情深く、熱く指導されていた姿を懐かしく思いだしました。 (マルゴー)



◆ METライブ「椿姫」


ソニア・ヨンチェヴァは名前を聞くのも初めてでしたが、とても上手な歌手だと思いました。欲をいえば、声にも体にも厚みがあって瀕死の結核患者にしてはやや元気すぎる感じ。もう少し優雅ではかなげな感じを出すと、もっと良かったかなと。時計を象徴的に使った演出はヴィオレッタに死が迫っていることを実感させて効果的でした。(4/10 新宿ピカデリー) (イェジババ)


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