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つぶやきコーナー(2017年7月号)
「つぶやきコーナー」は、愛好会の会員がペンネームで鑑賞報告や感じたことなどを自由に投稿するページです。
◆コンサートホールアイロニー
小生オペラ公演の他にオーケストラ公演にもよく足を運びますが、みなさんもご存じの様に東京ではなかなか響きの良いコンサートホールがたくさんあります。それらのホールの響きの良さを味わうには、実はお客が少なければ少ないほど良いのです。
例えばオペラシティコンサートホールでの公演で、お客が4割ぐらいしか入らない時があったのですが、(どこのオケとは言いません) もちろん演奏は見事だったのですが、それ以上にホールの響きの美しさを堪能したことはありませんでした。
結構そういう体験を他のホールでもしているのですが、 N響や読響あたりの公演ではそんな体験はまだありません。 やはり、東京でも本当に集客力のあるオーケストラはこの二つぐらいなのでしょうか。
( 半可通オトコ)
◆デヴィーアのノルマに圧倒されました!
7月1日、日生劇場で藤原歌劇団「ノルマ」を鑑賞しました。タイトルロールはマリエッラ・デヴィーア。その完璧な表現力に圧倒されました!
ラウラ・ポルヴェレッリのアダルジーザ、笛田博昭のポッリオーネほか、脇を固める歌手陣もとても充実して、粟國淳の無駄なく洗練された演出、歌手に寄り添うランツィロッタの指揮。いずれもレベルが高く大変満足いくものでした。
会場には愛好会の会員の皆さまも多数お見えで、幕間には早速、感想を熱く語り合いました。その中で、演奏のテンポに関して異なる意見があったのも興味深かったです。見識の深い会員の皆さまの率直な意見を伺えるのは本当に勉強にもなるし、楽しいものです。
昨年末のプラハ国立劇場の来日公演で、グルベローヴァ、テオドッシュウのそれぞれの「ノルマ」も記憶に新しいところです。短期間のうちに3人のディーヴァの「ノルマ」を体験出来るとは、大変贅沢で幸せなことだな~、と思いました。(わに子)
◆夏のオペラはワインを片手に
連日の猛暑ですね。冷えた白ワインを片手に冷房の効いた室内で、クラシカジャパン放送、ブレゲンツ音楽祭「アイーダ(2009)」「アンドレアシェニエ(2011)」のTV放送を鑑賞しました。
ブレゲンツ音楽祭は、ドイツとオーストリアとスイスの国境にあるボーデン湖畔の街ブレゲンツで毎年7~8月に開催される湖上オペラを含む音楽祭です。
日本では夏はオペラの公演も少なくなりますが、一方ヨーロッパではバイロイト、グラインドボーン、ザルツブルグ、ペーザロ、ヴェローナ、エクサンプロヴァンスなどなど、いずれも一度は訪れてみたい憧れの音楽祭が多数開催されているのは周知のとおりです。
その中で昨年は、イタリアのヴェローナで「アイーダ」「カルメン」を鑑賞する機会に恵まれました。古代遺跡のアレーナ(競技場)の壮大なスケールの舞台で、夏の夕刻から日没、そして月の夜まで、刻々と表情を変えていく天空の下、屋外の風に吹かれて鑑賞するオペラは忘れがたい思い出となりました。
この時の「アイーダ」は、夕立により開演時間が1時間ほど遅れ、終演は午前2時となりましたが、過去には23時に開演して午前3時過ぎに終演した演目もあったそうです。そういう場合は、指揮のテンポもどんどん早くなっていくそうです!
さて、ブレゲンツ。涼やかな湖畔の解放感あふれる特設ステージに巨大なセットが組まれ、大変壮麗なものでした。
「アイーダ」では水中からクレーンで現れる自由の女神のオブジェや、それに較べればむしろ小さく見えてしまう凱旋の場の象の巨大なオブジェ、ダンサーが湖の水の中にまで入っての大迫力の演出でしたし、「アンドレアシェニエ」はフランスものオペラらしい、ジャックルイダヴィッドの絵画にインスピレーションを受けた、死する男と書物をかたどった斬新な装置が印象的でした。
設営上、声はマイクを通してのものですが、自宅でのテレビ鑑賞では全く支障がありません。ワインが冷えた冷蔵庫もすぐそば、休憩時間のトイレ行列も心配無用です。
舞台や演出の壮大なスペクタクル、夏のリゾートならではのエンターテイメントを、暑さも急な雨の心配も無く、飼い猫と一緒にの~んびりと楽しみました。 (マルゴー)
◆6/24「オペラに学ぶスペイン~その風土と歴史」東京藝大奏楽堂
東京藝大主催『ビバ!エスパーニャ~グラナドスのスペイン(全4回)』
その第2回目「オペラに学ぶスペイン~その風土と歴史」に行って来ました。
『オペラ・アリアでたどるスペインの歴史』と題して西原稔・桐朋音大教授のお話と日本人歌手による歌唱がありました。
スペインを題材としたオペラ《ル・シッド》《イル・トロヴァトーレ》《ドン・カルロ》《フィデリオ》《ドン・ジョヴァンニ》《セヴィリアの理髪師》《愛の妙薬》《カルメン》など10作品から14曲が取り上げられました。どれも名曲揃いですが、特に《カルメン》〈闘牛士の歌〉で大拍手が起こりました。歌唱もさることながら作曲者ビゼーへの賛嘆の拍手だったと思います。
アラブ、ジプシー、灼熱の大地・・スペインの風土と歴史が醸し出す独特の魅力ある音楽を楽しみました。 (イェジババ)
◆私の好きな曲
<ロッシーニ作曲 弦楽のためのソナタ第1番>
ロッシーニ10代前半で書いた曲です。イタリアの空のようであり、初夏のようであり、涼しげなようでもあります。余談ですがその昔、大友直人のクラシックリクエストのオープニングテーマ曲でした。これからの季節にぴったりです。 (インテルメッツォ)
◆猛暑の夏に贈る 寒いオペラ劇場
おっと待った! 日本には20年ほど前まで本格的なオペラ劇場がなくて、普通のコンサートホールでオペラを楽しんでいたことを皆さん知っていましたか?
ところが、ある時期に集中して立派な四面舞台を有するオペラ劇場が浜松など数か所に建てられたのです。でも、その後は全く建てられていません。なぜならば、オペラが滅多に上演されないのですからオペラ劇場は無用の長物なのです。何とも寒気がするような話ではないですか?
寝苦しい猛暑には、全く効き目のないことをつぶやいてしまいました。我が国の寒いオペラ劇場の事情を考えると、益々眠れなくなりそうです。
失礼いたしました。 (マッタクン)