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マリア・カラスに映像で会う


オペラといえばマリア・カラスの名がまず浮かびますが、オペラに愛着を持ち始めた初期は彼女の声質に馴染めないものがあり、むしろふくよかな歌声のイタリアオペラでソプラノ人気を二分したと言われるR.テバルディの方が好きでした。

1958年12月19日に、慈善演奏会として行われたガラ・コンサートのライヴ映像を観ました。彼女の絶頂期でのパリ・オペラ座デビユーです。

観劇料が3万フラン、プログラムが3千フラン。
フランス大統領ルネ・コティはじめ、チャップリン,B.バルドー、ジャン・コクトー、イヴ・モンタン、E.シュヴァルツコップ など綺羅星のセレブリティが列席し、歌姫を一目見ようという人々がオペラ座の周辺に溢れている映像も紹介された。
コンサートの構成のうち、カラスの歌う曲は彼女自身の選曲と紹介され、得意のイタリア・オペラでフランスと関わりのある次のものが選ばれている。

第 1 部:

●『ノルマ』第1幕より、《反乱を教唆する声だ》、《清らかな女神よ》、《儀式はこれで終わった》、《ああ!初めの頃の誠実な愛が》。
 共演:ジャック・マルス(Bs)。

●『イル・トロヴァトーレ』第4幕より、《行っていいわ・・・》、《恋はバラ色の翼に乗って》、《ミゼレーレ 哀れみたまえ》。
 共演:アルベール・ランス(T)。
マンリーコの助命を伯爵へ願うときに、レオノーラは毒を飲み、 弱気につけ込むなら毒蛇になってやる、の所の気迫の籠もった表現力には感服しました。

●『セビリアの理髪師』第1幕より、《今の歌声は》。
濃い赤のドレスにグレイだったかのストールを掛け、堂々のご登場。目が大きく、彫りが深く、高い鼻と大きな口元で、日本古代の伎楽面だ、と思わせる顔にまず圧倒されました。ストールの上に腕を組み、深みのある歌声を聴かせてくれた。歌っている間も組んでいる腕を外さす、良くしっかりした声量が出るものと二度感心しました。腕を拡げたのは、観客の声援に応えた時だけだったと思う。

第 2 部:

●『トスカ』第2幕
 共演:スカルピア=T.ゴッビ(Br)、カヴァラドッシ=A.ランス(T)
 演出:ジョゼ・ベックマン。
第2幕は、トスカ一番の見所、ゴッビとカラスの掛け合いは映像であっても、息の詰まるような迫力ある場面の連続で堪能できました。

こちらが晩年になって、伝説のマリア・カラスに会えたことは至福のひとときでした。観客はすべて60代以上、8割以上が女性客でした。

指揮:ジョルジュ・セバスティアン。演奏:パリ・オペラ座国立劇場管弦楽団

 <'14.11.19.渋谷さくらH>     (S.O)


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